多汗症は、前回のコラム「多汗症の特徴」で説明したように、全身性多汗症と局所性多汗症に大別されます。
ただ、どの程度の量の汗が出ると多汗症であると定義されるのかが分かりにくいと思います。
そのため、今回のコラムでは、多汗症と汗の量の関係について考えてみましょう。
多汗症と汗の量の関係
多汗症と汗の量の関係を考えるにあたり、どの程度の汗が出ると多汗症といわれるのかを整理しておく必要があります。
ここでは、手掌多汗症(てのひらたかんしょう)を例に、汗の量の違いによる分類を説明します。
・レベル1となる手掌多汗症とは
レベル1の手掌多汗症は、水滴が出るほどの汗の量ではありません。手の平に、軽く湿り気がある程度です。そのため、見た目ではわかりません。
ただ、実際に手のひらに触ると、汗をかいているということがわかるレベルというのがこの段階です。
主にストレスによって汗が増えることが多く、軽度の多汗症として分類されます。
・レベル2となる手掌多汗症とは
レベル1では、見て分かるほどの汗の量ではありませんが、レベル2の手掌多汗症になると、実際に手のひらに水滴がついているのがわかるほどです。
手作業などを仕事にしている人にとっては、作業にも支障が出る場合があり、仕事に差し支えてはいけないと思えば思うほど手に汗をかくようになり、精神的なストレスを感じる頻度が増える人がいます。
・レベル3の手掌多汗症とは
レベル2では、手のひらに水滴がついているのが分かる程度でしたが、このレベル3の手掌多汗症の場合には、手のひらから水滴が落ちほどの汗の量をかくことになります。
このレベルの多汗症は、重度の多汗症と考えられ、手作業などの仕事をしていない人でさえ、普段の仕事に支障をきたしたり、日常生活においても問題を抱えることが少なくありません。
このレベル3の多汗症になると、医師による治療が必要な場合もあります。
自分がどのレベルの多汗症であるかを理解したら、次の段階では、どのような多汗症を対策を行なうべきかを考えることになります。
レベル3の重度の多汗症の場合、手術という選択肢もありますが、まずは専門家によって、多汗症を改善するためのアドバイスを受けたり、専門のマニュアルで知識を増やす必要があるでしょう。
多汗症の治療は、早ければ早いほど効果が高くなるケースが多くなっています。
まだ平気だと思わずに、このページを訪れたことをきっかけにして、すぐに多汗症対策を考えることをお薦めします。